人間力がつく。自由な時間とお金が増える。
賃貸オーナーになって、より人生が充実。

サラリーマン時代から不動産投資を始め、賃貸オーナーへと華麗な転身を遂げた石黒さん。管理・入居状況が悪くリスクの高い物件をあえて購入し、満室経営を実現するその手法に迫ります。

石黒博章さんの画像

サラリーマン出身の石黒博章さんは、まったくの未経験から賃貸オーナー業をスタート!その手法は、リスクの大きな「阻害物件」をあえて購入し、収益化を実現するという興味深いもの。その成功の秘訣とは?
また、自由な時間と報酬を手にすることができる賃貸オーナーとしての心構えについてなど存分に語っていただきました。

石黒 博章(いしぐろ ひろあき)株式会社名古屋都市開発 代表取締役 / 名古屋不動産賃貸オーナーズクラブ 代表
サラリーマン勤めをしながら不動産賃貸業を開始。入居率20%の物件を100%にまでアップさせるなど、満室経営を実現。現在は9棟123戸を所有。また個人の不動産管理法人株式会社アキ代表取締役を兼務。約340人の大家さんからなる「名古屋大家塾」の塾長を8期つとめるなど、人望が厚く大家さんたちをサポートする心強い味方として活躍中。
株式会社名古屋都市開発

賃貸オーナーは、元手が少ない人でもはじめられる。

ー 石黒さんは、賃貸オーナーになる以前はサラリーマンだったとお聞きしました。
石黒: はい、電機メーカーでソフトウエア開発の設計に携わっていました。24時間稼働している工場で、0.5ミクロン単位の精度を追って神経をすり減らす毎日でした。その当時は、不動産賃貸業にはまったく興味がありませんでしたね。
ー 賃貸経営に興味を持ったきっかけは、どういったことですか?
石黒: 友人に誘われて、サラリーマン大家の元祖として著名な藤山勇司さんのセミナーに参加したことがきっかけです。そこで賃貸オーナーというのは、お金を持っている人だけでなく、元手が少ない人でも工夫次第で始められるということを知り、「面白そう!」と感じました。
ー お金がなくても、大家さんになれる?
石黒: 物件の仕入れ方次第では可能です。実際には、資金調達もやっぱり大事なんですが(笑)。そこに関しても教えてくれる先輩がいたのでその方にいろいろとレクチャーしてもらいました。「資金調達ができないから、はじめられない」という悩みを打ち明けたら『いや、借りればいいだけじゃん』と言われて。
ー 軽い調子で(笑)
石黒: 経験豊富ですごい人たちなんです(笑)。サラリーマンにも事業資金を融資してくれる銀行があることを知らなかったので、まずはそこから教えてもらいました。また手ほどきを受けながら事業計画書を作成し、不動産投資ローンを組めたおかげでスムーズに事業を始めることができました。借りやすい時代、という運にも恵まれていたのかもしれません。

リスクのある「阻害物件」で、収益化を実現する方法。

ー 石黒さんは、管理・入居状態の悪い物件や任意売却物件といった『阻害物件』を中心に購入されていますが、その理由をおしえてください。
石黒: 率直に言うと、安いからです。当然ですが、みんなが「良い」というものは高い。阻害要件が大きければ大きいほど比例して仕入れやすくなります。マイナス要素が多いほど、燃えるんですよね(笑)。
ー 阻害物件のリスクをクリアにする方法はあるんですか?
石黒: まずは情報収集。その土地に出向いて必ず話を聞きます。知り合いの大家さんをはじめ、不動産業や賃貸仲介業の方などできるだけ多くの人に話を聞くようにしています。賃貸オーナーで失敗する人って、情報収集をおろそかにしているケースが多いんですよ。
ー 最初に購入したのはどんな物件ですか?
石黒: 共用部のベランダから室内に水が入ってくる水じまいの悪い建物でした。駅から遠く、建物の外壁も変わった色をした奇抜な物件。11戸中9戸が空いていて、前オーナーもお手上げ状態でした。
ー どういったところが「買い」のポイントだったのでしょうか。
石黒: 基礎構造のしっかりしている築17年の重量鉄骨造で、リフォーム費用は発生するものの、コストの大きい配管工事などのインフラ改修を行う必要がないところ。約700万円の費用をかけて防水・給排水処理を施し、暮らす上でまず不便がないようにしました。また室内清掃を徹底しました。自らトイレの掃除をしたり、電球をかえたり、カッティングシートを貼ったりもしましたね。入居者の第一印象は大切ですから。
ー ほかにはどういった営業努力をされましたか?
石黒: あとは広報活動ですね、いろいろな所に頭を下げて、「こういう物件があるのでよろしくお願いします!」と。モノだけをキレイにすれば大丈夫という考え方の人もいますが、そのあと広告で、しっかり伝えるという作業はやはり大事ではないでしょうか。
ー 結果、入居者は集まりましたか?
石黒: 満室になりました。地元のオーナーさんも、「なんでこの物件が埋まるのかわからない!」って(笑)。やっているときは必死なので、怖くないんですよ。やり終わってから「ああ、危険な賭けだった」という思いがどっと押し寄せてきます。

自由な時間と報酬の裏側にあるオーナーの責任。

ー 賃貸オーナーという仕事の魅力はどんなところだと思いますか?
石黒: 先輩たちを見ていても、人生を豊かに送る方が多いですね。ホノルルマラソンに参加するために、一か月ハワイに滞在するなど自由な時間を楽しめる。私もまだまだですが、ようやく地主さんたちと外でちょっといい食事ができたり、海釣りが趣味なんですが──船で釣りに行けるぐらいにはなりました(笑)。
ー 最近遭遇したアクシデントは?
石黒: 所有する建物の裏山が土砂崩れ。山の上の方に繁っていた竹が駐車場から生えていたときは驚きました……。幸い人的被害はなかったのですが、適用される保険もないため10トントラック6台分の土砂を片づけるのに相当の費用がかかりました。ショックでしたが、いいネタにはなりましたね(笑)。
ー 賃貸オーナー業も相当の覚悟が必要ですね!どんな心構えが必要でしょうか。
石黒: 大家塾に入って間もない頃、活動する先輩方の姿を見て「かっこいい」と思ったんですね。なにかが起きたら「絶対に俺が解決するぞ!」と逃げないで、すべての責任を自ら引き受けるという姿勢。ここまでなれたらカッコイイなと思いました。自分の所有する建物には、入居者の人生そのものが関わっている。そのことを自覚して、責任を持たないといけないと感じました。

夢は、街のイメージを一変させる都市空間の創造。

ー ご自身の物件で、入居者にどのような暮らしを営んでほしいと思いますか?
石黒: 私の建物に、中学生と高校生の兄弟だけで住んでいる部屋がありました。実家から学校まであまりに遠いので、お父さんが安かったその物件に住まわせてくれていたんです。防犯のため、エントランスを明るく照らすようにしていたのですが、剣道部の彼らはそこで一生懸命竹刀を振って練習をしていました。私は夜中にそれを見て、邪魔しないようにそっと帰ったのを憶えています。そして彼らは学校を卒業し、弟のほうは警察学校に入るのでやがて建物からも卒業していきました。
ー 人生のなかで、思い出の場所になれるような家。
石黒: そうですね。奇をてらったものではなく、だれもが安心して普通の暮らしが営めるような、そういった住まいを提供できればいいと思います。
ー 最後に、今後の展望についておしえてください。
石黒: ゆくゆくは、街のイメージを変えられるような駅ビルなどの総合開発にも携わっていきたいですね。物件の所有数を誇るというより、周辺の歴史や環境との関係を大切にしたよい建物を残していきたい。実は、社名の「名古屋都市開発」は、そんな夢を込めてつけた名前なんです。

ここがポイント!石黒さんの話のツボ。

  • 資金がなくても、工夫次第で賃貸オーナーになれる!
  • 収益化できる物件の見極めは、情報収集あり。
  • 賃貸オーナーに必要なのはすべての責任を自ら引き受けるという心構え。
  • 所有数を誇るより、周辺の歴史や環境との関係を大切にした建物を

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